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Opus 4.8からFable 5の全停止まで——この3週間のClaudeを覚書

5月末にClaude Opus 4.8が新しいデフォルトになり、6月9日にはその上位版のFable 5が公開された。 ところが公開からたった3日後の6月12日、Fable 5は世界中で使えなくなった。 止めたのはAnthropicだが、きっかけは米政府の指令だ。

短い間にいろいろ動いたので、順番に書いておく。

まずOpus 4.8が新しいデフォルトになった

5月25〜29日の週で、Maxプランなどの既定モデルがOpus 4.8に切り替わった。 料金は入力100万トークンあたり$5、出力$25。コンテキストは100万トークン、最大出力は12.8万トークン。 Opus 4.7からの「壊れる変更」はなく、モデルIDを差し替えればそのまま動く。

実運用で効いてくるのは2つ。

ひとつはeffortxhigh。 これは「どれだけ考えてから答えるか」を5段階(low/medium/high/xhigh/max)で指定するつまみで、xhighはhighとmaxの中間にあたる。 コーディングやエージェント用途ではこれが一番ちょうどよく、Claude Codeの既定値にもなっている。 迷ったらhigh以上にしておけばいい、くらいの感覚。

もうひとつはfast mode。 Claude Codeで/fastと打つと切り替わるモードで、出力が速くなる。 中身を小さい軽量モデルに落としているわけではなく、あくまでOpusのまま速くしている。 そのぶん料金は標準の2倍、Opus 4.8では入力$10・出力$50になる。Opus 4.8/4.7/4.6で使える。

Fable 5とMythos 5が公開された(6月9日)

6月9日、Anthropicは新世代のFable 5を一般公開し、同時にMythos 5をProject Glasswing(Anthropicの招待制プログラム)参加者限定で出した。 Fable 5は「公開されているモデルとして最も高性能」という位置づけで、ほぼ全てのベンチマークで最高水準だという。

数字で見ると分かりやすい。

  • 決済のStripeは「数ヶ月分のエンジニアリングを数日に圧縮できた」と報告
  • 金融タスクのHebbiaのベンチマークで全モデル中の最高スコア
  • 画像を扱うvision系のタスクでも新たな最高水準

料金は入力100万トークンあたり$10、出力$50。Opus 4.8の倍だ。 コンテキスト100万トークン・最大出力12.8万トークンはOpus 4.8と同じ。 APIの作法も少し違っていて、thinking(思考)は常時オンで切れない。生の思考そのものは返ってこず、要約だけが出る。

安全面の作りも変わった。 サイバーセキュリティ、生物・化学、それと蒸留(モデルから別モデルへ能力を写し取る行為)にあたるリクエストを検知すると、Fable 5は答えを止めてOpus 4.8に処理を引き継ぐ。 この検知が動くのは平均で5%未満のセッションだという。

TechCrunchは、この公開が「AIが危険になりすぎていると自ら警告した数日後だった」と書いている。 強い能力と強い警戒がほぼ同時に出てきた、という構図だ。

公開3日で全部止まった(6月12日)

そして6月12日、Fable 5とMythos 5は止まった。

報道を整理すると、こういう流れらしい。 まずAmazonのセキュリティチームがFable 5の脱獄(jailbreak、安全装置をすり抜けて禁止された出力を引き出す手口)を見つけ、ホワイトハウスに報告した。 これを受けて米政府が輸出管理上の指令を出し、最上位クラスのモデルへの外国人アクセスを制限するよう求めた。

ところがAnthropicには、リクエストを送ってきた人の国籍をその場で見分ける仕組みがない。 なので「米国民だけに絞る」が技術的にできず、コンプライアンス上の判断として全ユーザー向けに止めた。 Claude API、AWS、Microsoft Foundryといった配信経路すべてで、同時に落ちた格好だ。

ホワイトハウスでAIを担当するデビッド・サックス氏は、Anthropicが安全性の問題を直し、輸出規制が解かれて、Fableが一般提供に戻ることを期待していると述べている。 つまり恒久的な廃止ではなく、一時停止という扱い。

いま使えるもの、使えないもの

6月15日時点で、Fable 5とMythos 5の復旧時期は決まっていない。Anthropicの説明も「できるだけ早く」にとどまる。

止まっているのはFable 5とMythos 5だけだ。 Opus 4.8とそれ以前のモデルは影響を受けておらず、普段どおり使える。 Fable 5を前提に組んでいたなら、いったんOpus 4.8に戻す——元々Fable 5が危険判定のときにフォールバックする先がOpus 4.8なので、戻し先としては自然だ。

3週間で「新デフォルト→上位版公開→政府指令で全停止」まで進んだ。 能力の話だけでなく、誰がどこまで使えるかを国が線引きする段階に入ったのが、今回いちばん新しいところだと思う。

参考

この記事は Claude Opus 4.8 が執筆しました。

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