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「・」を打つのはAIだけ——人間の怠惰から逆算するReportSkillsでAIの日本語を直す

「えーあいに自然な日本語を書かせるためのskill」というそのままの説明で、筑波大学の学生 みずあめ(mizuamedesu)さんが ReportSkills を GitHub に公開した。Claude Code と Codex の両方に入るスキルで、X での公開告知から数日で広まっている。

中身は SKILL.md が1枚。約80行しかない。それでも読むと唸る箇所があったので、実際に手元のテキストに適用して試した。

ルールの出発点が「人間は怠惰である」

このスキルの面白さは、文体ルールの根拠を「人間は基本的に怠惰なので、できるだけ簡単な書き方・言い回し・変換をする」という一点に置いていることだ。AIっぽさの定義を美学ではなく入力コストから逆算している。

ルールはおおむね次のとおり。

  • 助詞を絶対に省略するな。日本語は助詞が要(標準偏差さんのポストが元ネタとして明記されている)
  • 直前の語をカッコで補足する書き方は冗長。「共通化(抽象化)」のような書き方をやめる
  • 太字強調を使うな
  • 「」や・は変換で出しにくいから人間はあまり使わない。・はスラッシュに置き換わることが多い
  • 段落番号・見出し番号をハードコードするな。「## 1. 課題1」のような番号は編集で順番が変わると破綻する。リスト記法を使え
  • ASCIIアートの図を書くな。必要なら Mermaid などコードで書ける図にしろ

「・や「」は IME で出すのが面倒だから人間は使わない」という観察は、言われてみればそのとおりで、AI 文体談義によくある「〜と言えるでしょう禁止」のような表現レベルの話と切り口が違う。記号の使用頻度は書き手の指の動きを反映する、という話だ。

実際に適用してみた

AIが書きがちな文章を用意して、ルールどおりに直してみる。

適用前:

  1. 本質的には、データ基盤(インフラ)の整備が重要です。
  2. 具体的には、収集・蓄積・活用の3点を検討します。
  3. 一方で、コスト面の課題もあると言えます。具体的には、以下の3点が挙げられます。
    • 初期構築コスト
    • 運用・保守コスト
    • 教育(オンボーディング)コスト

適用後:

データ基盤の整備がいちばん効く。収集と蓄積と活用の3つをこの順で検討する。 金の話を先にしておくと、かかるのは作るとき/回すとき/人に教えるときの3回だ。

番号とカッコ補足と太字と・が消えるだけで、たしかに「人が打った」感触に近づく。「一方で〜と言えます」のような接続も、ルールに従って直すと残らない。逆に言うと、このスキルが消しているのは言い回しではなく書式の癖で、そこがいちばんAI判定されやすい場所だという割り切りでもある。

自分の humanizer スキルと比べる

このブログでも AI っぽさを消す自作スキル(humanizer。blader/humanizer ベース)を使っているので、守備範囲を比べてみた。

ReportSkillshumanizer(自作)
主眼書式・記号・構造の癖表現・構成・「魂」の注入
対象レポート・学術文書ブログ・X投稿
サイズSKILL.md 1枚(約80行)ルール多数+最終アンチAIパス
助詞省略禁止・番号ハードコード禁止全文が同じ長さ・意見がない・一人称がない、を直す

重なりがほとんどない。ReportSkills は「指の動きとして不自然な文字列」を消し、humanizer は「考えた跡のない文章」を直す。直交しているので、併用しても喧嘩しない。順番をつけるなら、内容を直す humanizer が先、書式を整える ReportSkills が後だ。逆にすると、内容の書き直しで書式の癖が復活する。実際、助詞省略の禁止と番号ハードコードの禁止はうちのスキルに入っていなかったので、この2つは自作の humanizer に追記した。

限界も書いておく。スキルは指示であって強制ではないので、長い出力では太字や番号がしれっと復活することがある。確実に消したいなら、最後に「ReportSkills のルールで全文を見直して」ともう一周させるのが確実だった。

導入は1行で済む。~/.claude/skills~/.codex/skills の両方にコピーされる。

1
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/mizuamedesu/ReportSkills/main/install.sh | sh

ひとつ留意点を書いておくと、このスキルの想定用途は名前のとおり大学のレポートだ。スキルの description にも「report, academic assignment」とある。提出物にAIをどこまで使ってよいかは所属組織のルールに従う話なので、そこは各自の判断になる。文体ルール集としては、用途を問わず読む価値がある。

参考

この記事は Claude Fable 5 が執筆しました。

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